GLINT BEAT
2001年9月リリース
Published on
GLINT BEAT
- メディア
- CD
- リリース
- レコード会社
- 東芝EMI
- オリコン最高順位
- 5位
- 参考
- 公式データ
- Wikipedia
- 閃光
- 運命の轍 宿命の扉
- Punks Life
- Never Ending Dream
- Beat Pop Generation
- Boy
- Romeo 〜Cosmic☆Picnic
- Fairy Dance
- UNCROWNED KINGDOM
- NEVER FADE
今までと路線をガラリとかえた、エッヂの利いたbeat感溢れるアルバム。高見沢もメインのギターをレスポールからテレキャスに持ち替えた。ここ数年の、1枚のアルバムに色んなタイプの曲を詰め込もうというスタンスから、1アルバム1テーマという思想に転向。坂崎曰く、今までのALFEEの曲はどちらかというと雄大な感じだったが、今度のは'粒'というか、比重が感じ
(要約)だそう。
歌詞はやはり高見沢感あふれる仕上がりだが、一部の詞を森 雪之丞氏に外注する(M-7, M-9)などALFEEとしては前代未聞なことも行っており、その辺りには新しい試みを感じられる。
同年9月に予定されてたロンドン公演に合わせて作成されたロンドンver.ジャケットなどというものも存在するが、アメリカのテロの影響でロンドン公演がポシャってしまったため、後日そのCDは日本のタワレコで限定発売。
総評
今までのALFEEから一歩先を踏み出した感じがするし、踏み出そうという姿勢がとても感じられる。その点は近年マンネリといわれるALFEE音楽において非常に評価したい。
ただ、その踏み出そうとする勢いに実際の体が少々付いていっていない感があるのは仕方がないとはいえ残念。特に物理的なCDデザインにそれは顕著に現れていて、いまひとつあか抜けきれない。
含まれている楽曲の質にはバラつきがあるように感じるが色々やってみるのは良いことだ。個人的好みとしては、M-1.閃光 / M-2.運命の轍 宿命の扉 / M-6.Boy辺りか。
今までALFEEを追っていた人にとっても、新規開拓という意味でも、そしてALFEE自身にとって非常に意味がある、重要なアルバムであると思う。なにより新しい手段(テレキャス)を手に入れた高見沢が楽しそうなのが良い。
デザイン評
ジャケット/ケース
どうしてこんなジャケットにしたのか分からない。とても、驚くほど駄作。まるで素人が作ったかのよう。せっかく楽曲が良くても、このジャケットでは固定ファン以外は購入しないだろう。世の中ジャケ写衝動買いなんてモノまであることを分かって欲しい。ポップにしたいならしたいでそういう路線でいいのだが、これはただの "安っぽい"。これならそこらへんで撮った写真一枚ペロっと載せる方が、いや、いっそジャケなしにした方がいいと思う。最近見た中で一番良くないジャケット。
ケースは特筆することのない普通のモノ。
ブックレット
ごちゃごちゃ。色々試してみたくてやってしまいました、風。そもそも1曲ずつレイアウトからフォントから変える意図が分からない。基本的には「orb」から何も変わっていない。良くない。
1ページ目に出てるオネェチャンの意図が分からない。最初見たときは後にもいっぱい出てくるのかと思ったが、結局このページの小さいカットだけ。これなら出さなくていいように思う。
高見沢のフリルっぷりに今更ながら呆れる。マニキュアは指短いし爪も短いから似合わないと思う。ヘッドフォンした坂崎氏はなかなか。タバコ吸ってる高見沢はかっこ良くていいと思う。
ディスク
ジャケットはこんなにも良くないので全然期待してなかったのだがCD自体はカッコ良かった。この差には唖然。できるんならちゃんとジャケットもこういう路線にして欲しい。
化学薬品の様な蛍光キイロが良い。字の所はもう少しフォントを気にして、且つ詰め込んで羅列したほうがステキかとも思うがまぁよし。ALFEEモノで、しかも2色しか使ってないのにここまでいければ立派。多分ALFEEの出したALBUMのディスクの中で一番好き。
別ヴァージョン(LONDON ver.)
違いはジャケットと帯のみ。通常版のブックレットの前にロンドン用のカードつっこんだだけ。むしろオマケで付いてきたタワレコ袋ALFEE ver.の方が可愛かった。ジャケのタイトルラメはかわいい。バックのユニオンジャックは、「悪くはないな」程度。総合的に見ても通常版と大差はない。
しかし、ロンドンで発売するつもりだったのに歌詞の英訳を入れていないあたり、やる気が感じられない。
曲評
1. 閃光
- 作曲
- 高見沢 俊彦
- 作詞
- 高見沢 俊彦
- 編曲
- THE ALFEE
- メイン・ヴォーカル
- 高見沢
テレキャスでガツンと一発、いわゆる「GLINT BEAT」代表曲。今回のALBUM「GLINT BEAT」を良く表してる。
ドラムのカウントから入るのが珍しい。高見沢の声がちゃんとカッコイイ。詞はいかにもだけど、ネジ曲がった自由と歪んだ正義のために
は逆にコテコテで好き。
2. 運命の轍 宿命の扉
- 作曲
- 高見沢 俊彦
- 作詞
- 高見沢 俊彦
- 編曲
- THE ALFEE
- メイン・ヴォーカル
- 桜井
仰々しいタイトル。ALFEE色なんだけど、意外と今までの曲のクローン感があまりない。サビがメロディアスで爽快でスピード感あって良い。サビ部分のバックのギターが特に良い。軽すぎず、重すぎず、バランスのとれたイイ曲。個人的にこのアルバムで一番好きな曲だ。
3. Punks Life
- 作曲
- 高見沢 俊彦
- 作詞
- 高見沢 俊彦
- 編曲
- THE ALFEE
- メイン・ヴォーカル
- 坂崎
低音中心なのがちょっと新鮮。エフェクトのかけ方とか歌い方とかは「孤独の影」系。Aメロ〜Bメロ前半の押さえた感じが良い。
「Funky Punky」(ALBUM『夢幻の果てに』)みたいな歌詞。唐突に出てくる「雨ニモ負ケズ」の歌詞。「雨ニモ負ケズ」の人物像とこの歌詞はかけ離れてるように思うから、ちょっとおどけた感じなのだろうか。
4. Never Ending Dream
- 作曲
- 高見沢 俊彦
- 作詞
- 高見沢 俊彦
- 編曲
- THE ALFEE
- メイン・ヴォーカル
- 高見沢
高見沢の近頃のバラードの張り上げる声は好きじゃないのだが、こういう歌い方は好き。たどたどしさがなんとも頼りないというか不器用な感じがして良い。なので高見沢ヴォーカルの(ミディアム)バラードのわりに高得点。
しかしサビはちょっとベタ。「ふたりのGraduation」(ALBUM『DNA -Communication』)を思い出す人が多いそうだが、私は「Heart Of Justice」(同じくALBUM『DNA -Communication』)を思い出す。
Aメロのエフェクトのかけ方は良いと思う。出だしとか。あとマニアックでアレだが、2コーラス目のザラには
の歌い方が萌え。
5. Beat Pop Generation
- 作曲
- 高見沢 俊彦
- 作詞
- 高見沢 俊彦
- 編曲
- THE ALFEE with 河野 圭
- メイン・ヴォーカル
- 坂崎 (, 高見沢)
サビがジャニーズ(しかもJ-Friends)のよう。AメロはとてもALFEEとは思えない仕上がり、高見沢の声がカッコイイ。前のめりだ。色々挑戦するのは良いことだ。サビは嫌いだが。
最後は繰り返しが長くてちょっとダレる。しかも詞がThis is my beat pop generation これが僕等の世界
と、ほぼ「Everybody needs love generation」だが狙ってるのか。
6. Boy
- 作曲
- 高見沢 俊彦
- 作詞
- 高見沢 俊彦
- 編曲
- THE ALFEE
- メイン・ヴォーカル
- 桜井
スカパーのアニメ「フィギュア17」のオープニングテーマ。実は結構荒々しいロック。
1コーラス目Aメロ(1回目)のピタッと終わるのが好き。いわゆる今までのALFEE的な主題歌系という感じだけど、結構イイと思う。SINGLEにされてたら飽きてたかもしれないが。間奏の坂崎ギターが良い。
7. Romeo 〜Cosmic☆Picnic
- 作曲
- 高見沢 俊彦
- 作詞
- 高見沢 俊彦・森 雪之丞
- 編曲
- THE ALFEE with 井上 鑑
- メイン・ヴォーカル
- 坂崎
森 雪之丞氏が作詞。雪之丞っぷりが出てて面白い。先行で発売されたSINGLE『Juliet』の対。タイトル以外に共通点は浮かばないが。こういう遊びは好き。
サイバーパンクな曲……というか "変な曲" というのが第一印象。何者なんだロミオ。曲自体も宇宙を漂うような声、メロディー、アレンジ。Aメロが淡々としてて特にそんな感じ。なかなか悪くない。
ベースがいい感じだ、と思ったら桜井氏ではなく、しかもまさかのバカボン鈴木だった。
8. Fairy Dance
- 作曲
- 高見沢 俊彦
- 作詞
- 高見沢 俊彦
- 編曲
- THE ALFEE
- メイン・ヴォーカル
- 高見沢
同じく「フィギュア17」のエンディングテーマ。まんまアニメのエンディングっぽい曲。
4曲目の「Never Ending Dream」と同じノリ、というか似てる。サビはちょっと(音が)高くて気に入ってないのだが、最後のだから...Kiss me, one more Please
はかわいい。
9. UNCROWNED KINGDOM
- 作曲
- 高見沢 俊彦
- 作詞
- 森 雪之丞
- 編曲
- THE ALFEE with 井上 鑑
- メイン・ヴォーカル
- 桜井・坂崎・高見沢
これぞALFEE! な、職人系プログレ曲。
詞は「Romeo」と同じく森雪之丞。ABメロとか幻想的でなかなか。2コーラス目の頭の表現が好きです。ALFEEのことか? ただそのABメロの幻想的な雰囲気とサビのボクサーなギャップが気になる。3コーラス目のBメロで今までのABメロとサビが繋がるって感じなのだろうがサビの詞は良くないと思う。
曲自体にはあまり文句はない。イントロでベースだけのところがALFEEにしてはめずらしい。間奏の変拍子っぷりは毎度の職人技。
10. NEVER FADE
- 作曲
- 高見沢 俊彦
- 作詞
- 高見沢 俊彦
- 編曲
- THE ALFEE
- メイン・ヴォーカル
- 桜井
SINGLE曲。私は好きになれない。SINGLE系のこの曲調にはもう飽き飽きである。