ヴォルフロッシュ

シュトゥットガルト市立美術館

Kunstmuseum Stuttgart

[photo:Kunstmuseum Stuttgart]
名称
シュトゥットガルト市立美術館
Kunstmuseum Stuttgart
art museum Stuttgart
設計
Hascher + Jehle
竣工
2005年
用途
美術館
場所
Stuttgart, Germany
訪問日
カメラ
Canon IXY DIGITAL 60

2005年にシュトゥットガルトのど真ん中に出現した、ガラスキューブの現代美術館。主に州立絵画館以降の現代美術を扱う。

地下に潜り込んだ地上階および地下フロアと、その上に乗るガラスキューブ部分で成る。

常設は地上階(1階)と地下1階。美術館後方の持ち上げられた公共空間に潜り込みながら遥か後方まで伸び、地上に現れているキューブの比べてかなり広い床面積を持つ。地下階は地下道路に挟まれているため、地上階よりも更に細長いプランとなっている。

地上に現れたガラスキューブ部分に当たる上階3フロアでは特設展などが行われる。上階は石のブロックで肉付けされた内側のマッシブな建築をガラスキューブがすっぽりと包み込むかたちになっている。ガラスキューブと内側の建築の間の空間が移動のための回廊となり、内側の建築内が展示空間となる。展示空間は一切の窓を持たない。ガラスキューブは正方形だが、内側の建物は階段部分が斜めにカットされている。内側の建築の屋上にあたるキューブの最上階は乗る見晴らしの良いレストランとなっている。ガラスキューブと内部建築との間の空間は回廊および上下を繋ぐ階段やエレベータとなっている。

地上階のカフェやブックストア、ガラスキューブの回廊、最上階のレストランは、美術館の入館に関係なく自由に出入りすることができる。

その時々の美術館の企画でガラス面のプリントは変わり、ガラスキューブそのものが美術館の広告の役目も果たしている。

所感

久しぶりにシュトゥットガルトを訪れたら、知らないうちにできていた美術館。最初目に入った時は大型書店かなにかだと思った。新宮殿の広場前という、まさにシュットゥットガルトの中心に建つ。こんな一等地にいきなり市立の美術館が建つとは思いもしなかった。

地上階入口とその外がカフェとなっており、立地条件も手伝って昼夜市民で賑わっているのが良い。夜キューブがこうこうと光り輝くのも美しい。企画展を余計な色を使わずキューブにプリントするというのが、デザインレベルを保ちながら建築の特性を活かして広告を行う良いアイデアだと感じた。

立地やガラスの透明感と裏腹に、中の展示空間は外部と隔絶されているというか、外観とはあまり関連性はないと感じた。美術館なので静かだし別にいいのかもしれないが。特にキューブ内の特設空間は空間の狭さも手伝って閉鎖感がある。

個人的に好きなのもあるが、常設空間にあるオットー・ディックス (Otto Dix) のコレクションが秀逸。数も充実している。ディックスを見るために行く価値がある。

写真

外観

内観

アクセス

Kleiner Schlossplatz 1, 70173 Stuttgart, Germany

中央通り

開場時間
10:00-18:00 (水 -21:00)
休館日
月曜, 聖金曜日, 12/24-25, 12/31-1/1
入場料
5€ / 割引 3.50€

# 2006年11月時点

建築家

Hascher + Jehle (1992-)
[ハッシャー+イェーレ] Rainer Hascher (1950-) とSebastian Jehle (1965-) というシュトゥットガルト出身の建築家2人による設計事務所。事務所はベルリンに置いている。
公式サイト -Hascher Jehle Architektur

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