聖マリー教会市場
Marche Eglise Sainte-Marie
Published on
- 名称
- 聖マリー教会市場
- Marche Eglise Sainte-Marie
- St. Mary's Church market
- 設計
- Jean Nouvel
- 竣工
- 2001年
- 用途
- 屋内市場
- 場所
- Sarlat-la-Canéda, France
- 訪問日
- カメラ
- RICOH Caplio GX100
Sarlat(サルラ)の旧市街の中心であり定期市の立つ広場に面した、教会をリノベーションした屋内市場。この教会の建つ小さな中世都市Sarlatは設計者ジャン・ヌーベルの出身地である。
ボディは元の教会がそのまま使われており、正面門がそのまま巨大な黒いスチールの1枚板に置き換えられている。元の教会は13世紀末から16世紀頃までに建てられたものである。
所感
「ジャン・ヌーベルの建築を見に行くぞ!」と思って行くのなら、肩すかしになるのでオススメしない。Sarlatのメインはあくまでも中世そのままのような旧市街の街そのものだ。「ついでにジャン・ヌーベルも見られる」、くらい。
現在は教会の機能はなく、あくまで屋内市場空間である。Sarlatの街の教会自体は旧市街内に別の大きな物がある。訪れた日は市の立つ土曜日ではなかったので、入り口自体は開いていたものの、中で営業している店舗は数点であった。どちらもSarlatの名産品を売っている。中にある店舗は1桁程度であり、通路も1本のみ。スペースは元々あまり広くない。
実際広場に立つと、その金属の巨大な扉は存在感がありかっこいい。ジャン・ヌーベルっぽいし、モダンだし、シックで程よく重厚なのでまわりの景観も壊していない。凹凸も装飾もない漆黒の金属板は、モノリスの様でもありシンボリックだ。
中はほとんど弄られていないので、この正面扉と、裏口に付いた同じく黒い金属門と、あと若干の設備くらいである。あとはステンドグラスに代わる透明のガラス窓か? 逆に言うと、それがまた古い教会から新しい追加物を浮き立たせている。
しかし、故郷に錦を飾る、って感じは良いものだ。その街から世界に羽ばたいた世界的建築家が旧市街の中央広場に面した教会に、これまた象徴的な門を足すというのはステキである。予算もそんなかかんなそうだし(小さい市がこういった物に資金を捻出するのはそれなりに大変だろう。
Sarlatの街自体がとても美しいので行く価値はけっこうある、と思う。かなり交通の便は悪いが、それでも、これだけの広い面積を徹底して保護してあるのは感心する。マルロー法(1962に制定されたフランスの都市景観保護法)適応第1号の都市としても興味深い。こういった時代の面影をとどめる観光都市にありがちなキッチュな観光地臭さ(某モン・サン・ミッシェルとか某カルカッソンヌとか...)もあまりないのが良い。さらに夜のそれを崩さない洒落た美しいライティングにも感心する。ファグラも安価でおいしい。パリで食べる適当なファグラよりずっとおいしい。
教会のリノベーション例としてはマーストリヒトにある書店も参考までに。
写真
外観
内観
アクセス
Place de la Liberté, Sarlat-la-Canéda, France
Sarlat 旧市街の中心広場であるリベルテ広場 (Place de la Liberté) に面している。ただし、サルラの街に行くまでがかなり不便。Sarlat駅(廃駅なのでこの駅まではバスで行くことになる)から旧市街は徒歩で15分ほど。
# 2012年1月時点
建築家
- Jean Nouvel (1945-)
- [ジャン・ヌーヴェル] フランスの建築家。ガラスを多用した都会的な作品が多い。代表作はパリのアラブ世界研究所やカルティエ財団美術館、ケ・ブランリ美術館など。
- 公式サイト -JEAN NOUVEL - ATELIERS
- Wikipedia -ジャン・ヌーヴェル
関連リンク
no data
これらの情報は1024jpの訪問時、またはページ執筆時の独自調査に基づくものであり、情報の確実性・信頼性を保証するものではありません。