ヴォルフロッシュ

セレクサイズ書店 ドミニカネン店

Boekwinkel Selexyz Dominicanen

Published on

[photo:Boekwinkel Selexyz Dominicanen]
名称
セレクサイズ書店 ドミニカネン店
Boekwinkel Selexyz Dominicanen
Bookstore Selexyz Dominicanen
設計
Merkx+Girod Architect
竣工
2007年 (内装), 2010年 (エントランス)
用途
書店
場所
Maastricht, Niederlands
訪問日
カメラ
RICOH Caplio GX100

オランダのチェーン書店Selexyzがマーストリヒトの中心部に構える支店。使われなくなった教会を丸ごとリノベーションしている。教会そのものは約800年前に建てられており文化財保護対象である。

ゴシック教会の巨大な空間を活かし、その中に3フロアの黒い骨組みを組み商品の陳列をしている。内壁・天井・床などはむき出しのままである。また奥の内陣部分はカフェになっている。撤去する際に現状復帰することが条件とされていることもあり、建物そのものにはほとんど手が加えられていない。2010年に錆び加工をした金属製の重厚なエントランスが新たに増設された。

2007年のLensvelt de Architect interior Prizeを受賞し、また近年ガーディアン紙の「世界で最も美しい書店」の1つに選ばれている

所感

マーストリヒトに遊びにいった際、同行した友人に「教会をリノベーションした本屋があるらしい」と教えてもらい一緒に探した。マーストリヒトに来るのは初めてではなかったのだが、それまで来たときは全く気がつかなかった。

まず入ると、ゴシック教会らしいかなりの大空間がそのまま本屋になっているのに圧倒される。そしてさすが「世界で最も美しい書店」と呼ばれるだけあり超カッコいい。その重厚な雰囲気は書店というよりも図書館を思わせる。天井画がハゲかけてはいるがなかなか見事。窓はみなほぼ無色のガラスがはめてあるが、とはいえステンドグラスらしい枠は切ってあり、明るいモノトーンもなかなか情緒があり洒落ている。建物入り口の開閉もちょっと面白い。

内陣がカフェなのがまた良く、そのちょうど上に下げられたモダンな環状の照明は教会のシャンデリアを思わせる。さらにカフェ中央の大きなテーブルは地味に十字架の形をしている。教会の中でもこと神聖であっただろう場所で飲食をするのは、罰当たりな感じがしてなかなか小気味好い。

ところで、一応床の遺体が埋葬してあるだろう石版の上は陳列棚の設置を避けていたように見えるが、実際のほどは知らない。気を使っているのだろうか。

書店としても規模が大きいので、おそらくマーストリヒト中心地最大の書店であろう。オランダ語はさっぱりなので本屋としては利用できないのが残念だが、心地良さそうで落ち着いて本を選べそうなので地元にあったら通い詰めたい。

ただ、あらかじめ知らなければ、外から見てもこれが書店だとは気づかない。とはいえ、これほど愉快なプロジェクトなら、地元の人は皆知っているのだろう。

写真

外観

内観

アクセス

Dominikanerkerkstraat 1, 6211 Maastricht, Netherlands

開店時間
月-土 9:00-18:00 (月 10:00-, 木 -21:00) / 日 12:00-17:00
休店日
なし

マーストリヒトの旧市街の中心部、2つの大きな広場MarktとVrijthofを結ぶショッピングモールを抜けた先 Vrijthof広場側にある。

本屋なので開店時間内ならもちろん自由に入れる。

# 2012年1月時点

建築家

Merkx+Girod (1996-)
[メルクス+ジロード] 内装設計の Evelyne Merkx と 建築家 Patrice Girodを主体としたオランダ アムステルダムの設計事務所。
公式サイト -Merkx+Girod

これらの情報は1024jpの訪問時、またはページ執筆時の独自調査に基づくものであり、情報の確実性・信頼性を保証するものではありません。