ヴォルフロッシュ

金沢21世紀美術館

21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa

[photo:21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa]
名称
金沢21世紀美術館
21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa
設計
妹島和世 + 西沢立衛 / SANAA
竣工
2004年
用途
ミュージアム
場所
金沢, Japan
訪問日
,
カメラ
Canon IXY DIGITAL 60 (2006-09)
RICOH Caplio GX100 (2007-08)

金沢市市営の現代美術館。

愛称は "まるびぃ"。"丸い美術館" の略とのこと。まちに開かれた公園のような美術館という設計コンセプトのもと、誰でも気軽に立ち寄れる地域密着型美術館を目指している。展示品も、比較的フレンドリーな現代美術を扱っている。

建物の平面図がモチーフの美術館ロゴは佐藤卓によるもの。

SANAAは、この建物等によりヴェネツィア・ビエンナーレ第9回国際建築展で金獅子賞を受賞している。

所感

ロゴや愛称からも美術館の円形が強調されていることが伺える。

金沢21世紀美術館は建物の周りに芝のスペースが取られており、金沢市の中心にあるにもかかわらずゆったりとしている。特に、館内から外を見たときの効果は大きい。

訪問したときは、敷地内の芝刈りの日だったらしく敷地内の至る所に赤い芝刈り機が散乱していた。ただ、偶然だろうがそれが非常に調和していたのが面白い。

建築内部は、外と中の空間が対照的に扱われている。白とうっすら緑に色づいたガラスの相性も良い。また、ユニット内の天井の高さは武器だろう。これだけの天井を確保しながらも、外観は平べったく見えるのが面白い。こまかなところでは地下へ行く油圧式エレベータがカッコ良かった。美術館のエレベータは面白いものが多いので好きだ。

妹島和代と言えばいわば伊東豊雄の弟子にあたる人なので、仕方がないと言えば仕方がないのかもしれないが、少々豊雄っぽすぎるところが目についた。豊雄は大好きなので個人的にはいいのだが。

スタッフのユニフォームが奇抜なのだが、スタッフは地元のボランティアでいわばおじちゃん、おばちゃんなので、少々ムリを感じた。建物の使い方が雑で、ミュージアムショップなど、人の見えるとこに平気で荷物が積んであったのが気になった。この辺りは、どんなに建物や初期コンセプトが立派でも建物の利用のされ方でいかようにもなってしまう現実を感じた。

展示内容は "Art" というより "Design" という内容のものが多い。これも集客のための戦略の一つなのだろうが。

訪問時は "artificial heart : 川崎和男展" が行われていた。そういうことならぜひ、明和電機辺りに特別展をやってほしい。

再訪 ()

また金沢に来る機会があったのでついでに。偶然、現代美術作家 日比野克彦によるアートプロジェクトである "明後日朝顔プロジェクト21" が行われていた。美術館のまわり1周ぐるりと2,000株以上の朝顔が植えられている。視覚的にも暑い夏に若緑の朝顔は涼しげで、妹島和代の軽やかな美術館ともよく調和していた。外観も良いが、中から外を見た時が美しい。

写真

外観

内観

アクセス

石川県 金沢市 広坂 1-2-1

金沢駅東口バスターミナル7〜11番乗り場からバスで約10分 '香林坊 (アトリオ前)' 下車、のち徒歩で数分。

開場時間
10:00-18:00 (金土 -20:00)
休館日
月曜 (月曜が休日の場合はその直後の平日), 12/29-1/3
入場料
350円 / 大学生, 高齢者 280円 / 高校生以下 無料

建築家

Kazuyo Sejima + Ryue Nishizawa / SANAA (1995-)
[さなぁ] 日本の建築家、妹島 和世 (1956-) と西沢 立衛 (1966-) による建築ユニット。"Sejima And Nishizawa And Associates" の略。互いに個人でも設計の仕事をおこないながら、SANAAとして共同設計でのプロジェクトも平行して行っている。妹島和世は若い頃伊東豊雄の設計事務所で働いている。代表作は金沢21世紀美術館。
公式サイト -Kazuyo Sejima + Ryue Nishizawa / S A N A A
Wikipedia -SANAA