松本大洋の新作。
読みにくそうだなと思って読んだら読みやすかった。流石大洋、やるな。
間の取り方とか人の描写の仕方とか動物の出し方は松本大洋。『ナンバーファイブ』をより洗練させた感じ。よりとんがってきてるし、よりやわらかくなってきてる。時代モノに合わせてか、絵に変化が見られる。ところどころキュビズムが入ってるのが面白い。大洋らしいアプローチだ。
主人公は『鉄コン筋クリート』や『GOGOモンスター』に立ち返った、早熟な子供。『ナンバーファイブ』のハードボイルド的美学は非常に好きなのだが、こういった擦れた斜に構える子供を受け止め、肯定した描写も大洋の魅力の一つだ。多分、"子供の視点に立つ" というのはこういうことなんだと思う。
エピソードとしては浪人の宗さんが夢の中でカマキリになるくだりが好き。大洋らしい夢の交錯。
さて、この『竹光侍』、江戸時代の浪人モノってことで、真っ先にオノ・ナツメの『さらい屋 五葉』を思い出した。連載開始時期も五葉が今年の1月号から、竹光侍は8月からと同じ2006年に入ってから。流行っているのか?浪人モノ。同じ小学館だし。
ただ、オノ・ナツメはイタリアやってた方が似合うな。顔の描き方が日本人じゃない。多田由美の描く日本人もだけど、あれは西洋人だ。