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iCab

iCab - Internet Taxi for the Mac

なんだかMacユーザーなのにiCabを知らない人が多いみたいなので書いてみる。Mac専用ブラウザiCabについて。

iCabはドイツ人であるAlexander氏がコツコツと個人で作成しているMac専用webブラウザ。今時珍しくレダリングエンジンからオリジナルである。OS7.5以上ならば使うことができ、68Kのマシンでさえ動く。現在OS9以前がサポートされている唯一のブラウザでもある。MozillaでさえもOS9ユーザにはiCabを薦めている。もちろんOSX版もあり、Universal Binaryでintelでもネイティブに動く。ユニバーサルとはこういうことだと言わんばかりである。

1998年に最初のiCabがリリースされ、現在の最新バージョンは3.0.3。長らく続いた2.xではCSSレンダリングの不十分さを指摘されていたが、3.0はIE以上のレンダリング能力を誇る(あまり褒め言葉ではないかもしれないが)立派なモダンブラウザであり、MOSeという単語はMOSieに変更して頂きたい程である。v3.0.3ではAcid2もパスしている。

不十分ながらもtext-shadow実装への態度が見られるのもMacユーザならではの意地が垣間みられかわいらしい。

srceen shot
CSSコテコテなページでも完璧なレンダリング

とはいえ、iCabは3.0になっていきなり目覚めたわけではなく、2.xの頃からweb標準規格への興味は人一倍で、見るサイト全てのHTML, CSSを勝手に採点してくれるという、愉快な機能を備えていた(最近はFireFoxのアドオンやSafariのプラグインでも同じようなのがありますね)。また、おそらくテキストブラウザ以外で初めて、link要素を解釈したナビゲーションバーの実装を果たしている。それはOperaやMozillaよりもずっと早かった。Operaがlink要素に対応し、ネット界が湧いていた頃「今さらなにを……」と思ったものである。

v3.0.3のダウンロードマネージャ

その他、早くからキオスクモード(フルスクリーン・ブラウジング)を備えていたことも特筆に値する。FireFoxやShiiraの様にナビゲーションアイコンを気軽に作成・入れ替えることもできた。変わったところではページ内のhn要素やアンカー要素をリストアップしてくれる機能もあった。当時から広告フィルタが強力だった。ダウンローダがまた立派であったのも重宝した。

また、v3.0からは時代を反映しタブブラウジングもできるようになった。

もちろん、べた褒めに褒めきれるものでもなく、日本語が少々苦手(らしい)だったり、JavaScript、特に最近流行のAjax系が動かないこともあるのだが、これはユーザの少なさ故に個別に対応してもらえない宿命が原因の部分も大きいと思われる。

このニッチさは、Mac界のMacと言うことができるかもしれない。実際Macユーザ内でのシェアは、OS9でまともにつかえる唯一のブラウザであることを考慮してもMac程度かそれ以下であると思われる。

まったく、様々な素晴らしいポテンシャルを秘めているにもかかわらず常に日の当たらないブラウザだが、こんなにiCabを愛し褒めちぎっている私も、iCabがメインブラウザであったことは一度もない。多分今後もない。

iCab公式サイト
iCab - Internet Taxi for the Mac
Wikipedia
Wikipedia - iCab

2 Comments

chu-ken

すごい。すげえおもしろい話をありがとう。
iCabかわいいよiCab

1024jp @webmaster

> chu-ken
これを機にぜひchu-kenのマシンのHDの片隅にもiCabを置いてやってください。
たまに立ち上げて眺める程度で良いと思います(ぉ。かわいいヤツです。
でも実際OS9使ってる人には欠かせないっぽいです。隙間産業。
反MS精神が旺盛なためか、MacにはWindowsにはない愉快なwebブラウザ沢山あって、そういうところも好きです。

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