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『ニコイチ』2巻 /金田一 蓮十郎

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ハレグゥシリーズの金田一蓮十郎がガンガンの青年向け雑誌 (!?) であるヤングガンガンで描いているマンガ。

金田一蓮十郎はすばらしいマンガ家だ。力がある。ガンガンから、エニックスから(スクエア・エニックスではなく、あえて出版社エニックスと呼ばせて頂く)こういうマンガ家が出るのは非常に嬉しいし、興奮を覚える。マンガの出版社としてのエニックスは特別なんだ。錬金術ヲタクの偏見として『鋼の錬金術師』は読んでないで何とも言えない部分もあるのだが、いやそれでも金田一蓮十郎はすばらしい。

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『ハレグゥ』

ニコイチは蓮十郎初の青年誌だ。ハレグゥの頃から彼女は(そう、蓮十郎は彼女である)大人びたというか青年誌的匂いをチラつかせて笑いと取ってきた作家である。青年誌で描けばもっとその作風を活かせるのではないのかという気持ちももちろんあったが、それよりも、少年誌だからこそ笑いが取れるのではないかという懸念があった。少年誌でやるから特別なのであって青年誌でそれをやっても誰も見向きはしないのではないだろうかと。蓮十郎が少女誌で描いた「チキンパーティー」が私にとってイマイチだったせいもある。

まったくもってそれは杞憂であった。単純に面白い。現実であったらそれはムリだろという疑問ももたずに作品に入り込めるし、予想を裏切ってゆく展開も絶妙である。マンガの嘘と現実を持ち出すおかし味を見事に使い分ける。"痛快"といったらいいだろうか。青年誌でやることにより引き上がったタブー基準も、程よいタブーを程よく乗り越えている。つねにちょっと上を狙ってくれるのだ。少ない登場人物で丁寧に描いているのも良い。絵も安定している。

そしてすばらしいのが、細かなことかもしれないが、コミックスごとに引きを作っていることだ。1巻も2巻もちょうどいい、まさに、という展開をひっくり返したところで終わっている。計算しているのだろう。もう3巻が待ち遠しくなっている。コミックス派にとってはかなりポイントが高い。これひとつで読後感が違ってくる。

金田一蓮十郎は力がある。

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