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『ハピネス』/ 古屋 兎丸

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kanai的bestマンガ家 古屋 兎丸の最新刊。エロfとIKKIで単発で出していた読み切りをまとめた短編集。

まぁ、わかってはいたが半分以上は雑誌で既読のモノだった。そしてわかってはいたが私の好きじゃない色の作品が集まってる。

その中でまぁ面白かった話は「あくまのうた」と「もしも」。「あくまのうた」はギリギリでギャグにはなってないところがいい。「もしも」はオチはベタだが女子高生の掛け合いが兎丸っぽい。しかし、「もしも」の楠本絵と戦車絵で「パロの兎丸きたか!」と思いきや、両作品ともご本人が描いてらっしゃる様子。んー、残念。ここは兎丸氏に描いてほしかった。

逆に特に苦手なのは「雲の部屋」。「ロリータ7号」のオチも理解できない。りずむ嬢は思った以上に要注意人物かもしれない。D[die:]はかわいかったのになぁ。

私は兎丸のマンガに対する実験性・パフォーマンス性に惚れているので、このように普通のポエムマンガを描かれても困ってしまうのだ。これも実験の一環でやっているのならばいいのだが、そうでもないように見える。

最近兎丸が向かっているベクトルが不安だ。どんどんと良くない方向に逸れていっている気がする。幅が広がっているならいい。そこが微妙なんだ。「π」以来、兎丸の絵はコレ系で固定されてしまっている気がする。ここに載ってるのは全て読み切りの短編だ。掲載誌だってIKKIとエロF。いくらだって冒険できそうなモノなのに。もちろん、というか1作づつ比べると微妙に絵柄が違う。が、兎丸が本来持ってる絵の触れ幅に比べたら、この程度、非常に小刻みなものでしかない。

ただ、「ライチ☆光クラブ」はガロから生まれでた正統派な(?)兎丸を保っていてくれて、この絵が描けている限り兎丸はまだ大丈夫なんだと思える。

装丁は非常に良い。紙質、特殊印刷、色使い、ページ使い、表現方法、全てにおいて良い。それだけに惜しい。

さて、ところで、現在のkanai内の兎丸単行本ランキング。ちなみにカッコの中は中の作品が雑誌等に掲載された年。

  1. 「パレポリ」(1994-1996年)
  2. 「Marieの奏でる音楽」(2000-2001年)
  3. 「Wsamarus 2001」(1996-1999年)
  4. 「Garden」(1996-2000年)
  5. 「ライチ☆光クラブ」(2005-2006年)
  6. 「ショートカッツ」(1996-1999年)
  7. 「π」(2002-2005年)
  8. 「プラスチックガール」(2000年)
  9. 「鈍器降臨」(1997-2004年)
  10. ハピネス(2001-2006年)
  11. 「自殺サークル」(2002年)

未だに1位がデビュー作なのがちょっと切ない。超えられないのか。

ひとまずは「ライチ☆光クラブ」がコミックス化するのを待つ。

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